「行事の担当、やってみる?」。入職してしばらくすると、そんな声をかけられることがあります。最初は「自分にできるかな」と不安になるかもしれません。けれど、保育の仕事には、子どもと関わる力だけでなく、予定を立てる、周囲と相談する、必要なものを準備するなど、さまざまな力を身につける機会があります。これから就職先を探す人は、奈良県の保育士採用情報を見るときに、日々の保育だけでなく、どんな役割を経験できる職場なのかにも目を向けてみると、働いた後の自分を想像しやすくなります。
行事の準備は、本番の日だけの仕事ではありません。
まず考えるのは、「いつまでに何を決めるか」です。
内容を考える。必要な物を洗い出す。ほかの職員と役割を分ける。子どもの様子に合わせて進め方を調整する。場合によっては、保護者へ伝える内容や当日の動線を確認することもあります。
一つの行事を形にするまでには、細かな仕事がいくつもあります。
そこで役立つのが、先を見ながら動く力です。
今日やること。
今週中に終わらせること。
まだ決めなくてもよいこと。
すべてを一度に進めるのではなく、順番をつけて整理していきます。
こうした経験は、行事だけでなく普段の保育にもつながります。
「午後にこれをするなら、午前中にここまで準備しておこう」
「この活動にはこの材料が必要だから、早めに確認しておこう」
先の流れを考えながら動けるようになると、一日の仕事にも少しずつ余裕が生まれます。
もちろん、予定通りに進まないこともあります。
子どもの興味が予想と違う。
天候によって内容を変える必要がある。
準備していたものが使えなくなる。
保育の現場では、計画した通りに進める力だけでなく、状況に合わせて変更する力も求められます。
「せっかく準備したから、このまま進めよう」ではなく、「今の子どもたちには何が合っているだろう」と考え直す。
その判断を一人で抱えず、周囲の職員と相談しながら決めることも大切です。
ここで身につくのが、チームで仕事を進める感覚です。
行事担当になったからといって、一人ですべてを背負うわけではありません。
「ここをお願いできますか」
「この部分はどう思いますか」
「予定を少し変更したいのですが、どうでしょう」
自分の考えを伝え、相手の意見を聞きながら進めていきます。こうしたやり取りは、日常の保育でも必要になります。
そして迎える本番。
予定通りに進むこともあれば、小さな変更が必要になることもあります。
子どもが緊張する。
思ったより時間がかかる。
その場で動きを変えたほうがよい場面が出てくる。
準備してきたことを土台にしながら、目の前の状況を見て対応していきます。
すべてが終わったあとには、振り返る時間もあります。
うまくいったこと。
次回は変えたいこと。
もっと早く準備できたこと。
そこで得た経験は、次の仕事へ生かされます。
就職活動をしていると、「自分には何ができるだろう」と今の能力だけで考えてしまうことがあります。
けれど、職場で働く中で身につく力もあります。
段取りを考える力。
人にお願いする力。
複数の仕事を整理する力。
予定外のことに対応する力。
こうした力は、最初から完璧である必要はありません。先輩の進め方を見たり、実際に担当したりする中で少しずつ身につけていけます。
保育職への就職を考えるなら、「今できること」だけではなく、「働きながらどんな経験を積みたいか」という視点も持ってみてください。
子どもと向き合う毎日の中で、保育の専門性だけでなく、仕事を組み立て、人と協力し、一つのことを形にする力も育っていきます。
一年前には不安だった役割を、次の年には後輩と一緒に進めている。
そんな変化を実感できることも、保育の仕事を続ける面白さの一つです。